【目的】精神科救急病院における認知症高齢者の入退院時の実態を明らかにし,認知症者の症状改善効果を検討した.【方法】認知症患者40人(65歳以上)を対象にカルテから入院時の病名,年齢,性別,入院形態,Mini Mental State Examination(MMSEと略),隔離拘束の有無,Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia(BPSDと略)等を調査した.【結果】平均年齢は80.5±7.6歳(平均値±標準偏差)で,病名はアルツハイマー型認知症33人(82.5%),レビー小体型認知症3人(7.5%)等で,MMSE得点の平均は16.9点であり,(口頭質問に口頭や描画で答え,30点満点で21点以下を認知症の疑いとする),医療保護入院37人(92.5%),任意入院3人(7.5%)であった.主なBPSDは興奮,暴力,幻覚・妄想であった.入院中は①服用薬物の調整,②フィジカルアセスメント,③リハビリテーション,④ユマニチュードなどを処置することにより興奮と暴力はほぼ消失し,平均在院日数43.8日で退院した.【考察】認知症の急性期の興奮や暴力は,客観的な痛みの評価や薬物調整,患者の尊厳を重視した対応をしていくことで改善すると考えられる.
2023年5月26日付で、米国公共図書館協会(PLA)のオンライン補完版“Public Libraries Online”に、記事“What is a Library without a Librarian?”が掲載されました。
記事は、図書の自動貸出機と無人図書館を取り上げ、これらの利点と図書館員の役割の重要性について考察しています。
図書の自動貸出機は、特にコロナ禍においては図書館員と利用者双方の安全を確保しつつ本へのアクセスを提供し、費用対効果の高いものであるものの、図書館は本の貸出にとどまらない役割を果たしていることを認識すべきであるとしています。
また、セルフサービス時間を延長するなどして資料や施設へのアクセス向上を目指す無人図書館(staff-less libraries)については、人員の削減と引き換えに資料やコンピュータ等へのアクセス可能性が増すとする意見がある一方で、社会サービスを含む幅広い情報ニーズにわたって助けを求める利用者にとっては、図書館員が信頼できる案内役として機能することが多いことを認識することが重要であるとしています。図書館内に包括的で協力的な環境を作り出すには、図書館が提供する人間的なつながりが不可欠であると述べています。続きを読む(2023/06/01 17:18)